メニュー

狂犬病 Rabies

狂犬病の病原体  

 狂犬病は狂犬病ウイルス(Rabies virus)の感染によって引き起こされる人獣共通の感染症で、水などを恐れるような特異的な症状が認められることから、恐水症(Hydrophobia)と呼ばれることもあります。日本は狂犬病ウイルスの常在しない国とされていますが、2006年にフィリピンからの輸入例が報告されています。アジアやアフリカ地域では主に都市部のイヌの間での流行が主たるもので、北米や欧州ではコウモリ、キツネ、アライグマなどが主な保有動物とされています。ウイルスはヒトを含む、すべての哺乳動物に感染する可能性がありますが、ヒトへの感染源のほとんどはイヌです。一度発症してしまうと進行性の脳炎を引き起こし、救命することはほとんど不可能です。従って狂犬病ウイルスの常在する国や地域で哺乳動物に咬まれた場合には、早急に発症予防としてのワクチン接種を開始する必要があります。

狂犬病の症状と経過 

 主な症状はウイルスを保有する動物に咬まれた後、平均して30~90日程経過してから、全身倦怠感、食欲不振など初期のかぜのような症状から始まり、咬まれた部位の灼熱感、痛み、痒みなどの症状が現れます。その後、不安感、知覚過敏、筋肉のこわばりなどが現れます。この時期の特徴的な徴候として、水を飲もうとする際に筋肉のけいれんを起こすことによる、飲み込めない、あるいは飲むことを避けるしぐさ(恐水症状)や、送風機の風などに過敏に反応して避けようとするしぐさ(恐風症状)がみられます。狂犬病の多くは恐水症状がみられる狂躁型ですが、最初から麻痺症状を示す麻痺型もあります。いずれの場合でも最終的には脳神経や全身の筋肉麻痺を起こし、ほぼ100%死亡する感染症です。

 

 

 

厚生労働省ホームページ 感染症情報 狂犬病 より引用

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME