メニュー

頭痛 Headache

 頭痛(Headache)はヒトが自覚する症状の中で頻度が高いものの一つであり、時に日常生活に支障をきたし、慢性的に繰り返すことから、悩まれておられる方も多いかと思います。「頭痛」はひとつの症状ですが、慢性的に頭痛発作を繰り返す場合には「頭痛症」という病名として扱います。頭痛は頭部や脳神経の病気が原因で症状を自覚する二次性頭痛(症候性頭痛)と、病気が原因ではなく症状としての頭痛発作を繰り返す一次性頭痛(慢性頭痛症)に分類されます。当院での診療は主に一次性頭痛となりますので、二次性頭痛が疑われる場合には脳神経内科または脳神経外科を標榜する医療機関へご紹介致します。

 これらの診断は通常、国際頭痛学会の分類と診断基準に沿って行います。一般的に急激に出現し、短時間でピークに達するような、これまでに経験のない強い痛みや、頭痛に加え、高熱、嘔吐、手足の麻痺やしびれ、強いめまい、ろれつが回らないなど他の症状が伴うような場合には直ちに脳神経の専門医を受診して正確な診断を受ける必要がありますが、以前より同じような頭痛を繰り返している場合や、上記の随伴症状がみられないような場合には、生命の危険は低いことが推測されます。慢性頭痛症でも経過とともに悪化してくる場合や、難治性の場合には専門医を受診して精密検査を実施することをお勧めします。

【国際頭痛分類】

一次性頭痛

(1)片頭痛(Migraine)

 日常生活に支障をきたす一次性頭痛の中でも頻度が高いものです。頭痛発作を繰り返す疾患で発作は4~72時間持続します。片側性、拍動性の頭痛で、日常的な動作で頭痛が増悪することが特徴で、随伴症状として悪心や光過敏・音過敏を伴います。片頭痛は「前兆のない」ものと「前兆のある」ものに分類されます。

1)前兆のない片頭痛(1.2.3.を満たす発作が5回以上)
  1. 頭痛発作の持続時間は4~72時間
  2. ①片側性 ②拍動性 ③中等度~重度の頭痛 ④日常的な動作により増悪する のうち2項目以上
  3. ①悪心・嘔吐 ②光過敏・音過敏 のうち1項目以上
2)前兆のある片頭痛(1.2.を満たす発作が2回以上)
  1. ①視覚症状 ②感覚症状 ③言語症状 ④運動症状 ⑤脳幹症状 ⑥網膜症状 のうち1項目以上
  2. ①前駆症状が5分以上かけて進展 ②2つ以上の症状が続いておこる ③前兆が5~60分持続する ④前兆は片側性 ⑤前兆は陽性症状 ⑥前兆出現後60分以内に頭痛が出現する のうち3項目以上
3)慢性片頭痛
  1. 頭痛が月に15日以上3か月を超える
  2. 片頭痛の特徴(上記)が5回以上
  3. 片頭痛の特徴(上記)が月に8日以上で片頭痛治療薬で症状が改善する
 
(2)緊張型頭痛(Tension-type headache)

 頭痛の中ではきわめて一般的なものです。触診によって頭蓋周囲の圧痛の増強がみられることがあります。反復性慢性に分類され、反復性は月に1回未満の稀発型それ以上の頻発型に細分類されます。

1)稀発反復性緊張型頭痛
  1. 平均して1か月に1日未満(年間12日未満)の頻度で出現する頭痛が10回以上
  2. 30分~7日間持続
  3. ①両側性 ②圧迫感・締めつけ感 ③軽度~中等度 ④日常動作により増悪しない のうち2項目以上
  4. ①悪心、嘔吐はない ②光過敏、音過敏はあってもどちらか一方 のうち両方
2)頻発反復性緊張型頭痛
  1. 3か月を超えて平均して1か月に1~14日(年間12日以上180日未満)の頻度で出現する頭痛が10回以上
  2. 30分~7日間持続
  3. ①両側性 ②圧迫感・締めつけ感 ③軽度~中等度 ④日常動作により増悪しない のうち2項目以上
  4. ①悪心、嘔吐はない ②光過敏、音過敏はあってもどちらか一方 のうち両方
3)慢性緊張型頭痛
  1. 3か月を超えて平均して1か月に15日以上(年間180日以上)の頻度で出現する頭痛
  2. 数時間~数日間または絶え間なく持続する
  3. ①両側性 ②圧迫感・締めつけ感 ③軽度~中等度 ④日常動作により増悪しない のうち2項目以上 
  4. ①悪心、嘔吐はない ②光過敏、音過敏はあってもどちらか一方 のうち両方
 
(3)三叉神経・自律神経性頭痛(Trigeminal autonomic cephalalgias :TACs)

  群発頭痛が代表的なもので、発症年齢は20~40歳の男性に多いといわれています。最悪の発作の間は痛みがきわめて強く、横になることができず歩き回るのが特徴とされています。発作が7日~1年間続く群発期があり、その間に3か月以上の寛解期がある反復性群発頭痛と、発作が1年以上発現し寛解期がない(あるいは3か月未満)慢性群発性頭痛とに分類されます。

 1)群発頭痛(Cluster headache)(1~4を満たす発作が5回以上)
  1. 重度~きわめて重度の一側性の痛みが眼窩・眼窩上部・側頭部のいずれか1つ以上の部位の15~180分間持続する
  2. 頭痛と同側に①結膜充血または流涙 ②鼻閉または鼻漏 ③眼瞼浮腫 ④前額部および顔面の発汗 ⑤縮瞳または眼瞼下垂 のうち1項目以上 
  3. 落ち着きのない、あるいは興奮した様子
  4. 発作の頻度は2日に1回~8日に1回
2)発作性片側頭痛(Paroxysmal hemicrania)(1~5を満たす発作が20回以上)
  1. 重度の一側性の痛みが眼窩・眼窩上部・側頭部のいずれか1つ以上の部位の2~30分間持続する
  2. 頭痛と同側に①結膜充血または流涙 ②鼻閉または鼻漏 ③眼瞼浮腫 ④前額部および顔面の発汗 ⑤縮瞳または眼瞼下垂 のうち1項目以上 
  3. 落ち着きのない、あるいは興奮した様子
  4. 発作の頻度は1日に5回以上
  5. 発作の治療にインドメタシンが著効する
3)短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(Short-lasting unilateral neuralgiform headache attacks)(1~3を満たす発作が20回以上)
  1. 中等度~重度の一側性の痛みが眼窩・眼窩上部・側頭部または三叉神経支配領域に1~600秒間持続する
  2. 頭痛と同側に①結膜充血または流涙 ②鼻閉または鼻漏 ③眼瞼浮腫 ④前額部および顔面の発汗 ⑤縮瞳または眼瞼下垂 のうち1項目以上
  3. 発作の頻度は1日に1回以上
4)持続性片側頭痛(Hemicrania continua)(1~4を満たす一側性の頭痛)
  1. 3か月を超えて存在し、中等度~重度の強さの増悪を伴う
  2. 頭痛と同側に①結膜充血または流涙 ②鼻閉または鼻漏 ③眼瞼浮腫 ④前額部および顔面の発汗 ⑤縮瞳または眼瞼下垂 のうち1項目以上
  3. 落ち着きのない、あるいは興奮した様子、あるいは動作による痛みの増悪
  4. 発作の治療にインドメタシンが著効する

 

二次性頭痛

二次性頭痛は、①原因と推測される疾患と時期的に一致して発現している ②原因と推測される疾患が悪化・軽快するのと並行して症状が変化している ③原因疾患の典型的な特徴を有している ④原因となる他の証拠が存在する 場合に診断されます。国際頭痛分類に挙げられている主な疾患は以下の通りです。

  1. 頭頚部外傷・傷害による頭痛: 頭部外傷・むち打ち・開頭術
  2. 頭頚部血管障害による頭痛: 脳梗塞・一過性脳虚血発作・非外傷性頭蓋内出血・未破裂血管奇形
  3. 非血管性頭蓋内疾患による頭痛: 頭蓋内圧亢進・低髄圧・非感染性炎症性頭蓋内疾患・脳腫瘍
  4. 物質またはその離脱による頭痛: 物質の使用または曝露・薬物の使用過多・物質離脱
  5. 感染症による頭痛: 頭蓋内感染症・全身性感染症
  6. ホメオスターシス障害による頭痛: 低酸素または高炭酸ガス血症・透析・高血圧・甲状腺機能低下・絶食・心臓性
  7. 頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口あるいはその他顔面・頸部の構成組織の障害による頭痛または顔面痛
  8. 精神疾患による頭痛

 

<国際頭痛分類第3版 訳:日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 より一部抜粋>

 

 

 

 

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME